雑に言葉を使うし、雑な物言いをするし、なにより天邪鬼というところが最悪だった。

なんで好ましく思っていたり心を近くに置いたりしていた人たちから、そういう言葉を聞かなきゃならないんだろうと思うけど、べつにそんないいもんでもなかった、経験則からいくと、どーでもいい人間の方がよくそういう打ち方をする。

だから好ましかった人間がそうやって自分に都合よく言葉を使ってるとなおさら、お前がそう言うんかよという落胆もひとしおなわけだけど。こんなこと言ってたらまた考えすぎとか笑われるような気がしないでもない。逆になんで考えないで平気なの? って言ったら微妙な空気になったりしてたしね。すぐぶすくれる男だった。

 

 

たった一言なのに、思っていたより疲れて、思ったよりも不愉快で、せめてちゃんと言葉を扱える人の話が読みたい、せめて創造上でいいから、という気持ちになって、違国日記を全巻買った。たぶんこれ以上進んだら追いつくまでもっと大変になってしまうので。これ以上ないほど抜群のタイミングだった。

槙生のように餓鬼相手にも対等にしっかりと日本語を使って話そうとしてくれる大人。身近にいてほしかった大人。

もう今月だけで2作品大人買いしている、漫画たちを。

浄化されたかったんだな、言葉を丁寧にちゃんとその質量で使おうとする人たちに触れたかった。けど現実ではなかなか難しいことなので、せめて作品のなかだけでもという気持ち。

 

 

夜中の海は想像以上に波の音が生々しくて怖くて、水着だってちゃっかりばっちし着てきたけど、無理だね、ってなって、煙草一本だけ吸ってさっさと車に戻った。

浮かれポンチになるように、夏するように買ったアロハシャツというのかわかんない新しく買ったかわいいやつを着ていったら、みんなで旅行に行ったときに買ったアロハシャツを着てきていて、はからずも浮かれポンチ×2という感じになっていた。そのくせ30分で帰ったけど。一時間半ぐらいかけて来たくせに。

やっぱ夜の海はなめたらいかんね、という認識を得られたのでよかった。海獣の子供見逃していたので、今度みよ。

 

 

こいつは、安易な言動をして、こっちがなんで?って聞くと、いつも言葉に詰まるか先回りして謝る。もしくは餓鬼みてーにふてくされる。脳味噌を使わないで衝動で話して動いて、そんなふうに謝るんなら、初めからしなきゃいいのに。馬鹿なんじゃなかろうか。まあ馬鹿なところが可愛くていじらしくてサイコーと猫かわいがりしていたのはわたしだが。人間扱いしてないんだから、そりゃかわいいに決まってる。だから今さらそういう彼の言動にげんなりするのも違うのかなと思うけど、ださいもんはださいしな。

わたしの感情はわたしだけのものだ、と、槙生ちゃんも言っていた。だよねえ。知ってはいたけれど。