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フェアな関係、というタイトルがわたしの求めているものと近い、と思って読み始めた友情結婚をした夫婦の小説は、まさかの短編集で、なんだよ短編集かよと思ったけれど、
渡辺ペコの1122みがあるな~と思いながら中編まで読んだ。
フェアな関係とは。
ふと、今の恋人とセックスできなくなったら別れるんだろうか、ということを思う。
かつてのやべー男とつきあってたとき、もしくはつきあっていなくてもつかず離れず本当にヘドロみたいな腐れ縁そのものだったとき、離れなきゃと思うのと同じ強さで、でもこの人ともうセックスできなくなるのかーという気持ちがあった。
それはもったいない、という気持ちが。
高校生というのもあったし、抱きたい男なんてそんなに簡単には現れないし、そう考えたらこの男は貴重なのでは、と思い、肉体だけでも欲しいなーとだらだら連絡をとったり、3年ぶりに突然連絡をしたりされたり、ということをしていた。
あとあまりにも彼が露悪的で、自分を見ているような嫌悪感もありつつ、でもその正直さが信用できる、と思っていた。
わたしといるメリットがはっきりしている人間は信用できる、すべての事柄において欲望がつよい人間も。
なんでわたしといることを選んでいるのか目に見えてわかる人間が好きだ。今も。
その男が一時的にEDになったとき、セックスができないなんて、とかなり落胆したことを覚えている。
セックスできないなら会わなくてもいいかな、セックスのできないこの男に価値なんてあるのかと、本当に失礼なことを思った。
だけどまあ、その男も同じようなことを思っていただろうし、なんというか同じ穴の狢という感覚がつよいので、そう思ってしまったことに対しては罪悪感もない。
結局その男にちゃんと好かれることへのしんどさがすごくて、あんなに好きだったはずの手を繋ぐことさえも苦痛で、早々に別れたけども。
相性が悪いのも考えものだけれど、相性がよすぎるとかも考えものなんだろうな~。好きと肉欲って分けにくいよな。
僕は勉強ができない、の主人公の幼馴染の女のいっていた言葉、好きだったな。
もうひとりの恋人は、セックスができなくなっても別れたくなかったと思う。
それより、セックスぐらいしかできないことのほうが悲しくて、それ以外でこの人は女とは接せられないのかな、結局恋人というポジションにいても、なにも教えてくれないなら話してくれないなら、その他の女たちとなにも変わらないな、と悲しくなって、せっかくできた復縁も秒で終わらせてしまった。
セックスなんかよりも、話し合いを、自己開示をしてくれなかったから、もういいや、と諦めがついた。
他人を信用できない気持ちはわかるし、わたしもどちらかといえばそっち側に年々近づいているけし、弱い人間は悪いことではないけれど、でもいつまでも他人と向き合わない人間といる必要もないし、時間は有限だし、わたしはわたしが一番かわいいし、あなたはあなたが一番かわいいし。
セックス以外で他人と繋がれない男は、加齢とともにどんどん空虚さが目立つんだなと、この歳になってわかる。
会うたびに輝きを失っている元ヤリチンたち。
学生じゃなくなってからセフレがいくらいても、なんの得にもならないんだろうな。TENGAやirohaよりも快楽はでかいかもしれないけど。
今の恋人とセックスができなくなったら、たぶんめちゃくちゃがっかりするけれど、別れようかなとは思わないと思う。たぶん。えーー、セックスできなくても一緒にいてえ~。
でも生涯できない、ってなったらたぶんつらいだろうな。
その場合は、いちこみたいにわたしもセックスセラピストとか女性用風俗を利用する気がする。恋人がどこまでできないか、にもよるけれど。
わたしが求めていたのはこれなのかなとわかる、性欲を伴わない愛情表現のうれしさ。それとともに、好きな男から性的対象として見られる喜びも明確にある。
たかがセックス、されどセックスだよね~!!!関係性も変わってしまうし。
1122に出てくる、いちこの同級生の台詞。とてもよくわかる。
やってよかったセックスもあるし、やらなくてよかったセックスもある。もったいないことをしたな、っていう。後者は2人だけだけど。
好きなのにセックスレス、って、地獄だろうな~。
そんで、好きなのにだきたくない、も地獄だよな~。
性欲で人間関係が壊れることもある、だけじゃなく、性欲がないせいで人間関係が壊れることもあるという。そっちのほうが再構築というか、落とし所が厳しい気がするなもはや。
当分疎遠になっていた惨め、という感情にまた出会う日がくると思うとぞっとしちゃうね。