べつにアルコールなくても楽しい、からが本番

 

飲みにいこうよ、ふたりで。

とか言われちゃうと、昼間のタピオカか水鉄砲、ないしは河原か商店街を散歩じゃだめなんですか……? という気持ちになる。

アルバイト先のぺかっとした笑顔が可愛い年下に誘われてから、もう2ヶ月ぐらい引き伸ばしてしまってる。

 

申し訳ない気持ちと、よっぽど信用してる男以外と飲むのってめんどくせーんだよなという気持ちがそれぞれ100ずつ。どっちも本音なので仕方がない。

自分が相手を異性として見ているときに、向こうにそれがばれているように、まあなかには拍子抜けするぐらい気づかれてないときもあるけど、

それと同じように、相手がこちらを異性として見ているときは、わかる。さすがにこの歳になると、なんとなくわかる。自意識過剰とかじゃなくて、ふつーにわかるじゃんだって。

 

それに気づかないふりして普通に好意を振りまいて、相手に期待させるだけさせといて、いざ告白されてから白々しく、えー気づかなかった~、とか言って自分の自信に繋げるほど、今はもうそこまで自己肯定感には困ってないし。

 

自分の自信を搔き集めるために、自分を好きな他人に無駄な期待をさせるのって、すげーださいじゃん、やだ、よっぽどの精神状態じゃなきゃやりたくない。

中村倫也演じるゴンさんレベルの天然の人誑し以外には許されないよそれ。見苦しいもん。

好きだった人にそれやられてしぬほど幻滅したし、同じような下等なやり方で自分を肯定したくね~。だせ~。

 

なにはともあれ、そういうふうに男女! って感じで好意を抱いてくれている人間と、わざわざ夜にアルコール摂取するのって、なんか、勝手に気負ってしまうものが多くて疲れる。

人として好き、より、異性として好き、が勝ってると、厳しい。基本人として好きが上にあってほしくないですか?

まあ自分が好きな人が自分を女として好きでいてくれたらド深夜でも飲みにいきますけど。

 

いつから気になる人と楽して関係性を進めるようになったんだろう。自分も周りも。3マス飛ばせる、みたいな感じで飲みに誘ってる気がする。

アルコールとたいしておいしくもない食事で関係性を進めようとするのって、人間のメカニズムに沿った古来からの自然な手順なんだろうけど、なんかなー楽してるよなー。

とはいえ、わたしも使ってしまう。便利なので。

 

飲みたいっていうか、会って話したいだけなんだけど、会って話したいっていうのが大仰にとられたくないから、飲みにいこ、って言っちゃうんだよな~。

アルコールを摂取したいだけのときもあるけど、大抵は会いたいから、話したいから、に尽きる。

それならカフェとかタピオカでいーじゃんという感じだけど、でも昼間から一緒にタピオカ並んでって頼めるほどまだ駒を進めてないかも……? って思うと、もう使える手札が飲みにいこ、しかない。ないです。

 

でもわたしはわたしに、飲みにいこって言う人より、タピオカ飲もうよ、とか、散歩しようよ、とか、河原で昼寝しようよ、とか、蟻の観察キットやろうよ、とか、会いたいとか話したいとか、

そういう、エッてなるような、わくわくさせてくれるような、そういう誘い方してくれる人のほうが、

好き!!!!!!!!!!!!

 

手練手管とは対極で愚かかもしれないけれど、守りに入らず傷つくかもしれない選択を果敢にし続ける人のほうが、

好き!!!!!!!!!!!!!

 

夜の喧騒の中のアルコールなんて誰とでもどこでも基本それなりにたのしーじゃん、そうじゃなくて昼間によくわかんない街歩いて楽しめるのがサイコーじゃん、

とかいうことを、本日炎天下の下で友人とえっちらおっちら歩くなかで思いました。

散歩のが難易度高いよやっぱ。

 

でもアルコールもいいよね。たまに痛い目見るけど、人生の味方ではある。好きな人たちと適切な場で飲んだら美味しくてたのしいよね。

アルコールなしでもとびきり楽しくなってからがふたりの本番、って感じ、する。ねる。